移民としてニュージーランドで生きる…

その日の日記

今回の惨事を通して、少し気付いたことがあります。
忘れないうちに文にしようと思います。

ニュージーランドに移住して思いがけず13年が過ぎました。
ニュージーランドで生活をするということは、多数の白人の中でアジア人の様相で生きるということです。

まさしく少数者、マイノリティ側として。

今回の惨事では、白人至上主義による… という日本のニュース記事内での表現が多く見られます。

実際、ニュージーランドで生きてみてどうなのか。。

まずこの国には先住民のマオリ文化が色濃く息づいています。
前にもお話をした通り国歌の一番はマオリ語、二番が英語。(一番しかしっかり覚えていません。。)
そして世界でも抜きんでて先住民と西洋人がうまく国家を形成しているように思います。
このような国は他にないのでは。
お隣のオーストラリアと比較しても「みなまで言うな!」です。

当然国民全員がお互いによく思っているわけでもなく、心のうちでは嫌っている人もいるでしょう。
白人のことをパキハという呼び名も逆に存在する。
その言葉にどんな印象が込められて使われるのかは、私にはわかりません。

ですが、西洋人(白人)だけの社会ではないということ、これには全員が慣れているのは間違いない。

そして白人からみた、マオリ以外の人種をどう思うのか。
アジア人、インド人、アラブ人、アフリカ人…

当然よく思わない人もいっぱいいるはず。
このマイノリティ側として生きてみて、露骨に嫌な思いをしたことがあったのか。。
まったくないわけではない。
でも本当に些細なことが13年間で2、3回かなっていうのがウソなく本当なところです。

ただ自分が日本人であること、そしてアジア人、ひいてはマイノリティ側であることを意識しないことはないかと思います。
それはきっと年々薄らいではいることは間違いない。
同じ日本人をニュージーランドで見かけても在住者と旅行者の違いはすぐわかります。
雰囲気と、身から出る緊張感など。
ですから、慣れない土地で日本人に会っても在住者同士はすぐわかるので、それぞれの土地についての話がすぐ始まる。

それでも移民であり少数者。
きっと日本以外で生きる限り、永遠に続くもの。
そして日本では心配する必要のないこと、意識する必要のないことは付きまといます。
日本で生活すればそんな必要は何もない。

ただやはりニュージーランドでは、その度合いが他国で生きるよりも少ないはず。
だからこの国での人生を選択し、生きるのが楽に感じるんだと思います。

日本帰国をすると、日常生活において今度はいきなり大多数派、マジョリティ側に立ちます。
でも見た目はそうであっても、気持ち的にはすぐに変わることはできない。
ですから海外渡航者を日本で見かけると、マイノリティ側の意識や気持ちが痛いほど伝わってきます。

他国から大勢で来ている様を、冷たい目線でみる日本人も大勢です。
気持ちは少数者の自分、困っていると助けずにはいられない。
実際毎日のように声をかけて何かと手を差し伸べてしまう。
だからインバウンド添乗員業務も楽しい仕事となるんです。
ただ添乗資格を有し、英語が話せるからが理由ではありません。

今回の惨事を越えて、日本人として心配なことがあります。
日本のニュースで今回の事件を「白人至上主義がもたらした…」というなら。。

日本とかけ離れた遠い地の悲劇で可哀そうというだけでなく…
日本は「おもてなし」の国だから大丈夫でしょうか。

過去に経験したことがない数の外国人が訪れる日本の現状。
ラグビーワールドカップ、東京オリンピック、大阪万博と立て続けのこれから。
「日本人至上主義がもたらした…」などという惨事が絶対に起きてはならないことに気付かねばならないのではないでしょうか。

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