愛読書 34 ~ 山崎 豊子 著「沈まぬ太陽」

Yoshiの 愛読書

山崎豊子さんの著作、今まで何をブログで紹介したかな?
今回で愛読書のご紹介が33作目ともなれば、記憶がアヤフヤ…

あら、まだ何もブログにしていない!?

最近、こういうことが多くなってきました。
気持ちの中ではすでにブログにしていると思い込む。
それが、あらあら…

齢ですね(笑)
もちろん、それもある。
ただ山崎豊子さんの作品が好きかと聞かれるなら、そうでもないかも?

なぜなら、「白い巨塔」「大地の子」「華麗なる一族
すべての題材が重たい、決してハッピーエンドでもない。
どれもしっかり本棚にはあるのですが…(笑)

そして今回の「沈まぬ太陽」です。
読み進めるのがツラい。
モデルとしては、日本航空が見え隠れする。

理不尽ならない人事の報復。
それにも耐え、会社員として生きる主人公の恩地、そしてその家族。
海外を転々とし、長い年月を海外で耐え抜き、やっと日本帰国。
日本国内でも決して恵まれた会社員生活でもない。

そんなツラく、ドンと静かに重たい小説。
ですが、この「沈まぬ太陽」を含め、山崎さんの作品はどれも強く心に残るんです。

痛快、感動小説でもないのに、ずっと読んだこと、そして内容が消えずにいる。
そんな小説が山崎豊子さんの作品です。

この日本という社会に存在する理不尽さ…
きっとこの作品を翻訳して、kiwi(ニュージーランド人)に読ませても、まったく理解できない。

なんでこの主人公は我慢して働くん?
こんな会社、さっさと辞めたらいいだけやん。
どうして、みんなが出世を気にして、利権を貪るん?

そんなところでしょうか。
ニュージーランドでは、出世や職歴に関しては、本当に希薄ですから。
このあたりは、日本人には理解できない文化と価値観の違いです。

ニュージーランドに生きて思うんです。
良くも悪くも日本というものを知るため、山崎豊子さんの作品は読むべきではないでしょうか。
決して楽しい小説ではありません。

日本の社会を知り、そして世界で新たな価値観を知る…
そのためにも、ぜひ読んでおくべき小説だと思います。

最近大ヒットしたドラマ、それもより一層理解できるかもしれません。
なぜなら航空会社のことがよくわかるから…

読んだら、間違いなく倍返しで心に残ります!(笑)

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コメント

  1. 恩地さんのモデルとなった方が懲罰人事で僻地をたらいまわしにされたのは事実らしいですが、日航機事故の事後処理にはかかわってないことや、極悪人のように書かれていた幹部の人たちもそこまではないと知って、モデルのいる小説読むのは難しいなと思ってしまいました。
    渡辺謙の演技なんてみせられると、全部事実の様に思えてくるからこわいです(笑)

    • 日本の大手航空会社なんて今は2社しかないし、すぐにモデルとわかってしまうのも可哀そう。
      「沈まぬ太陽」でも「半沢直樹」でもドラマになると話を面白くするためにわかりやすい極悪人を登場させる。
      昔から「水戸黄門」様スタイルですね(笑)