最初にここで紹介する本は何にしよう…
ずっと考えた結果が、この本です。
大学編は何度も読みすぎて、カバーもありません。何となく新しいの買いたくない。
曽野綾子さん、最近は薄めのエッセー本が本屋さんの良いところに積まれていますが、良い小説もいっぱいあるんです。
人生に影響を与えてもらった本というのは本当に少ない、そんな本に出合えることが奇跡であり幸せなこと。
(この先、できるかぎり、ネタばれにならないように自分の話も交えます)
この本を最初に読んだのは、自分のまさしく高校時代。つい最近のことですね(笑)
ここからは自慢話のようできっと鼻につくかと思います。
でもこれから逃げては自分の人生を否定することになります。
ですから少し我慢して下さいね。
Y君、出身高校は名古屋の有名進学校、東海高校です。
最近の有名なOBでは、高須院長や林修さんでしょうか。
当時で、全校生徒550人のうち300人は医学部に進学。今でも日本で一番医師を排出している高校です。
医学部進学のためなら1浪は当たり前、2浪は普通という学校。
東大合格も毎年30人以上。早慶は当然のように。
そんな中高一貫校に、数少ない高校から入学した自分は、高校初日から現実に気付きます。
生まれつき脳の作りが違う人間と、自分のように努力で入学した普通の高校生とはまったく違うんや。
日本のエリートとはこういう人たちなんや。。(この頃は関西弁でない、名古屋弁)
エリート予備軍の中で、中の下の位置楽しくもない高校生活を送っていたY君は、この本に出会うんです。
主人公の太郎、いわゆる普通と呼ばれる価値感からは少しずれながら、しっかり自分の芯を。
その両親も素敵な目線で太郎を育てていきます。
自分が学びたいことには、それに一心に向かっていく太郎。
そして生きるために必要なことには貪欲、料理や泳ぐことにも…
(これも生きるための料理ができるようにならなくては!という自分の将来に大きく影響)
恋愛や友情にも悩みながらの高校生活、そして大学受験。
太郎は東京の有名私立大学(早稲田?)に補欠合格、名古屋の北川大学(これは南山大学)に合格する。
そして太郎はまわりの期待に背くかのように北川大学を選ぶ。
日本の学歴社会での価値観にとらわれず、自分が好きな文化人類学を学ぶための選択。
両親も迷うことなく、その選択に賛成する。
大学編でも太郎らしく生きる、そしてその両親も見事にサポートしていきます。
ちなみに太郎は曽野綾子さんの息子さんがモデルかと。
こんな太郎という人間像に圧倒され感動した名古屋のY君は。
そうか、偏差値とかそんなん関係なく、誰に何を言われても、自分の好きなことを勉強し、好きなことを学ぶために好きな大学を選べばいいんや!
そしてY君は好きな現国と地理ばかりお勉強することになります。
なんとなく、大学受験を終えたY君は担任の先生に報告です。
「先生、関西大学法学部法律学科に合格しました。」
「そうか、来年頑張れ!」
人生で忘れることのできない素晴らしい言葉をいただき、こうしてY君は予備校のような高校生活を終えたのです。
その後のバブルの中での大学卒業前の就職活動では、銀行の人事課からの電話で…
「東海高校卒のYさんは金の卵です!!」
(おぃおぃ、大学どこ行ってん、バカにしてるやろう~)
中部地方出身の会社の先輩には、今でも事あることにネタ扱い。
「さすが、東海!」「なんで東海やのに~」
中部地方出身のクライアントさんとの会話でついつい出身高校がバレてしまうと、
クライアントさんの目が泳ぎ、「なんで東海なのに、こんな地の果てでこんな仕事してるの?医者じゃないの?」の吹き出しが心の声として頭の上に浮かび上がる…
まぁ、東海高校出身の柔道整復師は絶対に自分だけでしょう(笑)
こうして大きく「太郎物語」に影響を受け、日本人の価値感からは大きく外れた生き方をしております。
断言、この本読まなかったら、違う人生送ってます。
でも嬉しいことも悲しいことも、大変なことも色々人並以上に経験させていただきながら、結構ここまで楽しい人生送っているようです。
お時間ある時に是非お読みください。
でも留学生や子供さんにはお勧めしません。自分のような人間になったら、それこそ悲惨、責任取れません。
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