【No.988】 ニュージーランドで 病院へ行って…

ニュージーランド情報

今日は久しぶりにHospital(病院)に行く機会がありました。
わざわざホスピタルと言ったことには訳があります。

ニュージーランドでは何か健康に関して問題があれば、まず GP へ行きます。
(写真はHospital ではなく、GP)
Hospital より数も多い小規模医療機関です。

General Practice

一般診療科、とでも訳せばよいのか。
救急時以外は、まずGPにいる登録をされたホームドクター(かかりつけ医)の診察を受けます。
ここでホームダクターの決定により、専門医の診察をあおいだり、あるいは検査へと進むことができるのです。

つまり自分の意思で、最初から病院(Hospital)に行くことはできません。

日本なら膝が痛いから整形外科。
眼の調子が悪いから眼科医へ。
花粉症のお薬が欲しいから耳鼻咽喉科でも。

そのようなことは基本的にできません。
まずホームドクターの診断により進むどうかが決定されるのです。

今日私がホスピタルに行ったということは、ホームドクターの診察を受けたがため。
そしてHospitalへ検査のオーダーをしてもらった結果です。

念のためにお話をしておきますね。
別に心配をするほどのことではないのですが、日本帰国ができない状況。
ですので、以前からある症状の原因を再確認。
そのために今日は胃カメラを受けにいったのです。

ニュージーランドでホスピタルに行く機会はこれが2度目でした。
ですから貴重な経験でもあります。

もちろん付き添いなどで行ったことは何度もあるのですが。

久しぶりにホスピタルへ行ってみて思うことが色々あります。

日本の病院よりもずっとフランク。
雰囲気も明るい。
BGMにはラジオが流れ、スタッフも流れる曲を口ずさむ。

スタッフの会話は終始ランチやお菓子の話が多い。
「私のケーキを食べちゃだめよ~」
「このクッキー美味しいから分けてあげる~」

あの~ 私は昨晩から絶食でこれから胃カメラを飲むんですけど…(笑)

「ER」などの海外医療ドラマでもよく見る姿。
みんな本当に、自分のマグカップやマイ・ボトルを手にして動き回ってはる。
コーヒーや紅茶などを飲みながらの業務です。

今日の担当ナースさんと、最初は必要な問診などを終わらせば、後はずっと世間話。
日本のこと、私の仕事のこと、寿司、ラーメン、桜… (笑)

そしていつもながら、誰がナースで、誰がドクター、あるいはヘルパー?、事務員さん?
さっぱり見当がつきません。

医療用スクラブを着用するスタッフ、それもみんな色が違う。
ある人はまったくの私服で働いていたりもします。

誰一人と白衣姿はなく、白やピンクのスカート式ナース服の人も皆無。
今日もこのお兄ちゃんがナースで、このおっちゃんがドクターと思い会話をしていると…
まったく逆だと気付いたのは、鎮静剤で意識がなくなる直前のこと(笑)

日本とニュージーランドの医療制度を比較すれば、それはそれは大きく違います。
日本の医療制度、それは患者さんにとって世界一恵まれているのではないでしょうか。
ですが世界ではそれが通ではまったくなく、超特別な医療制度。

病院数も病床数も人口に対して多い日本。

なのにコロナ対策では医療崩壊が問題になっていました。

日本はあまりにも病院が多すぎるのではないかと思います。
都会ではコンビニなみに病院なんてありますもんね。

多すぎる病院がために、医療スタッフも分散してしまいます。
特に数少ない専門医も分散してしまっているため、今回のような患者さんが多発する緊急時には困ってしまう。
病院や病床増やしても、適材適所となる医療スタッフが足りないのなら、問題は解決されません。

緊急時でなければ、患者さんに医療施設の選択権がある日本は、最初から専門医がいる病院に向かうことができます。
それはそれは、GPを通さずして行けることが羨ましい!

日本と違い、病院数は本当に少ないニュージーランドです。
大病院は、各地域に一つあればよい。
その分、専門医はそこに集中するので、医師のコントロールもしやすくなります。

なら、ニュージーランドのように大病院に集約したらよいのか?…
どうなのでしょうか…
私ごときに解決策がわかるはずもなく。

ニュージーランドの医療業界にも大きな問題があります。
ニュージーランドでは、他国よりどうしても医療スタッフに対する待遇が劣ってしまう。
つまり給与が、お隣のオーストラリアよりも低い傾向にあります。
もちろん英語にも困らない。
となると、もっと収入がよい国へと優秀な人材は移動してしまうのです。
オーストラリア、イギリス、アメリカ、カナダ…

ですから、結果的にニュージーランド国内は人材不足。
ドクターを含む医療従事者を他国からの移住者に頼らざるを得ないのが常。

ちなみにもう10年以上のお付き合いとなる、私のかかりつけ医も移民。
いつもピンクのパンツ姿で診療をする明るいドイツ人のおっちゃん、マイケルです。

日本が好きすぎて、行くたびに新しい医療英語を日本語で教えなければなりません。

聴覚検査時、
「聴覚は大丈夫だけど、英語の聞き取りがね…」
そんな私の冗談に、マイケルの返答は、
Me too!

そんな会話ができるホームドクターを持つこと。
医療制度は日本のように恵まれていなくとも、海外で生きていくためには大切なことなんです。
私も移民のひとりなんですから。

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