日本でいう『学歴』
ニュージーランドでの『学歴』
そもそもここから違うのではないのか…
雨がしとしと降る初冬のニュージーランドで考えたのでした。
日本の学歴、『出身学校の歴史』
ニュージーランドの学歴、『学んだことの歴史』
感覚的にこんな感じではないでしょうか。
ニュージーランドには、大学が8校しかありません。
すべて国立大学です。
8校しかないと履修したい学部、コース自体がすべての大学にあるわけではありません。
例えば医学部は、オークランドとダニーデンにある大学の2校にしかありません。
美術を勉強するならマッセ大学によいコースがある。
そのように選択肢自体が多くありません。
またどこが上、どこが下というものもありません。
そういう世界で日本の学歴的意義を希望するなら、ニュージーランドを出る道を選択します。
当然他国の大学を目指す、いわゆるエリート的高校生もいます。
ニュージーランドには偏差値というものはおそらくない。
といいますか、国民にそういう出身校を比較するという意識がない、意味がない。
もちろんどこかで働こうとすれば、日本でいう履歴書(NZではCV)を提出します。
学歴で聞かれるのは、どこの学校を卒業しているのかではなく、何を勉強しているのかです。
卒業校で何を専攻、何を勉強したのかを、日常会話や散歩中の何気ないコミュニケーションでも質問されます。
そうです、日本を出ると最初から出身校を聞かれたことはありませんが、何を履修したかはよくよく聞かれます。
そしてつくづく実感したことがひとつ。
大学の学部、世界でも理解してもらえる学部を選択することが望ましい。
例えば、法学部、文学部、経済学、工学部… このようにどの国でもわかってもらえます。
ですが、最近日本でもカタカナで、何を勉強するのか理解不能な学部名があります。
日本人でもよくわからないのに、世界に出てから聞かれても困ることがない学部であること、これは意外と大切なことだと私見ですが実感しています。
ニュージーランドでは『ポリテクニック(Polytechnic)』という国立の教育機関が現在16校あります。
大学よりも職業訓練校的意義が強いです。
私もこのポリテクでスポーツを修了しました。
私の母校(またブログでゆっくり語ることになります。)では、大工さんや美容師さん、看護師、そしてパイロットコースまで多種多様です。
また経済学や社会学、文学、美術、コンピュータなど、大学でも履修できるコースも存在します。
そしてこのポリテクでも大学卒業資格を得ることも可能です。
日本の文科省に相当するNZQAという政府機関により、教育機関のレベルがしっかり設定されているのです。
それは高校までで取得できるレベル3
それ以上のコースは履修期間や内容によりレベル4、5…と指定されます。
ちなみに私が履修をした Diploma of recreation & Sport はレベル5。
大学卒業(Bachelor)ですとレベル7となります。
ちなみにニュージーランドのNZQAにおいて日本の学歴も認定をされたので、私はレベル5を2つとレベル7を修了しているというのが、この国での公認された学歴です。
レベル5が2つあるからレベル10ということには残念ながら無理です(笑)
このように日本の教育状況とは全然違います。
高校を卒業したら、専門学校や大学に進むことを考えなければという社会でもない。
高校を卒業して1年2年と世界を旅しながら将来を考えるというのも、あ、そうなんや~的に普通。
ポリテクや大学は学びたい時に通うもの、年齢はまったく関係ありません。
冗談でなく50、60歳すぎてもまったく違和感なく授業を受けておられます。
長々と書いてしまいましたが、人間を学歴で比較、判断することがない社会…
この国で生きてみて感じた、衝撃的な違いです。
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