愛読書 13 ~ 高村 薫 著 「マークスの山」~

Yoshiの 愛読書

愛読書をご紹介するシリーズ、第13弾。
まだまだ私の本棚には日本の本がいっぱい。
昨日、本ではなく、手作り本棚をkiwiに褒められました!
日本語わからんkiwiにも、本棚の素晴らしさは伝わるようね(笑)

直木賞作家、ミステリー、サスペンス小説の世界で日本を代表する高村薫さんです。

高村さんの作品には、数えきれないほどの傑作があります。
『リヴィエラを撃て』、や映画化もされた『黄金を抱いて飛べ』も大好きな作品です。

今回は、『マークスの山』をオススメです。

写真をご覧いただくと、表紙の帯には「警察小説の金字塔」とあります。

確かにそれは間違いなく、大賛成。

ですが、この作品は私にとって単なる捕物帳の警察小説ではなく、重厚なサスペンス、そして人間ドラマでもあります。
刑事、そして犯人、それを取り巻く人物、それぞれの人間像をさすがの高村さんよろしく味わうことができます。

そして特に犯人を追う合田警部補、このマークスの山だけでなく高村さんの他作品でも登場してきます。
他の作品を読んでいると合田警部補が、するともはや『マークスの山』でしっかり人物像が出来上がっているだけに、登場してくれるだけで嬉しい。
合田警部補ファンは絶対に存在するのです。
そんなことがわかる人も少ないので、みんな言わないだけのこと(笑)

文庫本は上下巻に分かれ、そして下巻もクライマックスが近づいてくると、もはや人物それぞれへの思い入れも強く、終わりを遂げてしまうことが寂しく感じてしまいます。

読み終えた後も、山岳での極寒とともに、追いつ追われつの緊迫感から抜け出せず、しばし一緒に生きることとなります。
もしかしたら夢にまで見るかもしれません。
(本当に見たような覚えも薄っすら。。)

しばらくすると、独特異質な世界への帰還を希求してしまう消えない脳の本棚。
感覚的には怖いものみたさではないかと思ってしまいます。

そんな1冊を読む勇気、ぜひ人生で一度だけ!?
『マークスの山』は極寒の地、日本の猛暑を吹き飛ばすためにも、是非オススメです(笑)

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