人としての生きざまを学んだ大切な書です。
no 池波正太郎, no life
「真田太平記」 文庫本で全12巻
NHKの大河ドラマでも有名でしょうが、自分はあえて観ていません。
(自分の中の太平記が崩れるのがイヤです。)
もし、何かの事故か何かにより、瀕死の状況で 12巻中11巻までしか読み終わっていなかったら、それこそ、
「 無念なり~ うぅぅ… 」 となっていたことでしょう(笑)
司馬遼太郎さんも結構読んだのですが、自分には池波さんの小説が合っておりました。
素直に難しい表現なく人間味が感じられる気がします。
歴史小説であっても、距離や時間を感じなく読めるのが池波正太郎小説ではないでしょうか。
池波さんの代表作で「完」を迎えた小説は、この「真田太平記」だけとも言えます。
「鬼平犯科帳」、「剣客商売」も「仕掛人・藤枝梅安」も、著者病死のために未完です。
そのうち、これらもブログに登場するかと思います。
滅びた武田家の一豪族だった、真田昌行、その2人の息子真田信之と幸村。
家族ながらも対峙する運命となる3人。
真田家のもとで働く、草の者(忍者)の数々、又五郎、そしてお江。
もはや読んだら、お江のファンになります。
もう一人、真田幸村と人生を共にする家臣、佐平治。
数多くの登場人物、それぞれの人生が細かく描かれ、引き込まれていきます。
人生における縁、運、運命に左右されながらの生きざま。
自分の人生の核となるものに大きな影響を得たように思います。
人の善悪、血縁でありながらの逃げおおせないお互いの運命、人それぞれの役割を担いながらの必死に生きていく…
初めて読破後の太平記ロスはひどいものでした。
そのうち何度と読んでいくうちに、ふと佐平治的ひたむきさ、お江の暖かさ、そして昌行の生き続ける難しさ、そして幸村の見事な生きざま。
それぞれが実生活において、ふとよみがえる、そばにいるように感じるようになりました。
そして、ウズウズとまた読みたくなるんですね。
読み始める時は、気合入れて、期待値アゲアゲで読み始めて下さい。
それでも大丈夫ですから!
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