『ニュージーランドでDIY』 第1話 プロローグ

ニュージーランドでDIY

ニュージーランドは世界の中心から遠く南半球の底。
物が豊富にあるわけもない。

東急ハンズに探し物がなければロフトに向かう。
それでもなければすぐにアマゾンで取り寄せ…

そんなことも不可能だ。
つまり日本と比較して、選択肢が少ないんです。

それならある物を直しながら、限定された材料を工夫していくしかない。
直すにしても作り出すにしても技術がなければ、誰かにお金を支払って注文をすることとなる。
確かに『ハンディマン』と呼ばれる何でも屋さんのような職人も。
もちろん家具職人、大工さんもいます。

でも人口460万の国、国民の性格として『おおらか・いい加減』
手先器用でもなし… 逆に不器用な部類かも(笑)
いい床屋さん探す難儀さ然り…

例えば家を直すために材木が必要とする。
日本なら職人さんが材木屋に行き、目利きをして材料を仕入れる。

一方、ニュージーランドの場合
頼んだ職人さんと注文主がごく普通のホームセンターに向かい、誰でも購入できる木材を選ぶ。
そこで材料代を注文主が支払う。

それでも職人さんの仕事の出来が素晴らしい結果なら良い。
費用面はどうか、結構何でも頼むと高い。
ちょっとした修理、1時間で完了するにしても簡単に200ドルほどになる…

それなら自分で技術身に付けた方が出来もよく、費用も格安ですむ。
出来についても納得できる。
この国に長く住むようになると気付くことのひとつです。

製造業の経験がないわけではない。
もともと製造業が、何か作りだすことが大好き。
製図だってできるぞ。
手先も間違いなく器用だ、なはず。
好きなことだけは頑張ることができる素晴らしい性格(笑)

よし、身に付けたろ!
と思ったのが、もう8年ほど前だろうか。

ということで、まず工具が必要に。
最初は金槌やノコギリなどの手工具、そのうち電動工具も必要となる。
ある程度揃えても使い方もわからない。。
最初は直線にノコギリで切断することも危うかったです(笑)

どうやって学ぼう…
YouTubeでと言っても限界すぐにきます。

今さらまた学生する?
もう十分でしょう~

そこで考えた…
タダで教えてもらおぅ!

全国展開するホームセンター、『Mitre 10』
なぜかここには、一列に1人以上の店員さんがいる。
いつも思ってたんです、異常に店員多くてベテランさんいっぱい。

話をしてみると、どうも元大工やらハンディマンやら。
とってもその道のことを知ってる、詳しい!

そこで暇さえあればMitreに行く。
『これ直すのに何が必要なん?』
『これどう使うん?』
『コツは何?』
『もっと安くていいもんないん?』

そんなことを2,3年続けていたら、ある程度の工具が揃いました。
使い方もだんだん身に付けて。。
慣れてもきます。

電動工具も必要に求められて増える。

手工具も。。ここで気が付くんです。
この国で手に入る手工具、たとえばノコギリ、カンナ、ノミ…
日本の大工道具の方が断然素晴らしい!
繊細な作り、痒い所に手が届く道具。
手間を掛けて世話をすると味が出る和の大工道具たち。

ということで、日本帰国の度に大工道具も少しづつ吟味して持って帰るようになりました。

大きな写真と左の写真、日本の手工具の中でも大切な道具だけが入ることを許される、自作の壁収納道具箱の中身と外見です。

 

そうこうしているうちに、結構技術も向上したようです。
空いた時間を見つけて1時間、2時間の作業。
日本の田舎の何でも作るおっちゃんみたい(笑)

もうこの国のハンディマンよりいい仕事するかもしれない?
あと、これを揃えて、この技術を向上させたなら、商品価値あって売ることさえできる物を作ることがこの先に可能と理解してきます。
この国でなら仕事にもできるかも。

でも、もう充分。この人生では、そこまで必要ない。
残り人生もそこまで長くない。
性格的に一つを極めるより、何でもできる、経験することの価値観を求める。
『ユーティリティー貧乏』と自分は呼ぶ(笑)

DIYは自分の中でまったく趣味ではないです。全否定できます。
DIYは体によくないし、しんどいです、楽しくもないです。

『北の国から』の五郎さんに、「お父さんのDIYは趣味ですね」とは言わない、言えない。それと同じです。
生きていくために必要なこと。

いかに節約して、日本とは比較にならないほどの選択肢乏しい材料で、長持ちする物を作り出し、あるいは修理をしていくかか…
それが大切。見栄えは二の次です。これは仕方がないこと…

さらにこの国では、リノベイトをすることで価値が上がる、新しいから価値があるという単純な考えはしないんです。
新築なお家も少なく、物件はほとんど中古物件。
いいえ中古物件などともいう言葉が存在しない?物件といったら普通に中古だから。
築30年でも50年、100年でも直しながら、改築しながら保つ。
逆に30年や50年、100年ということは、長年使える良質な物件という価値観。
だからこその技術も必要とされるんです。

今日までも色々作り、直し、経験することにより、わかったこと、学んだこと、気付いたことがたくさん!

これから、『ニュージーランドでDIY』シリーズとして残していこうと思います。

『日本人がニュージーランドで移住生活をする上で必要なDIYに関しての一考察』
などとたいそうなものは書けません(笑)

少しでも読んで楽しい時間を過ごしていただけるのなら幸いです。

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