この本、好きなんです。
ほのぼの、ゆっくり、やんわり、さわやか…
そんな思いに浸りたい時の本。
杉浦日向子さんと言えば、江戸の街をテーマにした本を多く書かれています。
NHKの番組でもあった「お江戸でござる」が有名でしょうか。
あら懐かしい(笑)
我が家の大きな本棚には、現在4冊の江戸本があります。
その中でも、この「江戸アルキ帖」が良い。
江戸にタイムスリップしたかのように、江戸の街を歩きながらの日記帖。
そして漫画家でもあった杉浦さん、各日記に絵が添えられて。
この絵がなんとも柔らかい。
本当に江戸の街をスケッチでもしたかのように。。
池波正太郎さんの「鬼平犯科帳」の影響で、もともと江戸文化が好き。
(ってここで気付く… 鬼平さん、まだ愛読書で紹介してない?びっくり!)
江戸時代の食文化や人生観に惹かれるんです。
まさしく人生50年の時代。
ならば私は、この令和で、もう余生を送っているんですね(笑)
江戸の時代なら死んでいてもなんら不思議ではない。
もともと人間は50年もすれば自然に無となっていくもの。
ただ医療の発達により寿命も30年ほど伸びただけ。
江戸の人々はもちろん病名もわからず亡くなっていく。
盲腸でも腸捻転でも、風邪こじらせても…
長くも短き人生を受け入れて、50年を生きる。
そんな清々しさが、杉浦さんが描く江戸の人々にもうかがえます。
杉浦日向子さん、46歳で亡くなられています。
杉浦さんには、現代に合わせてもう少し長生きしてほしかった。
でもこんなにも素晴らしい江戸作品を多く残されているんです。
江戸時代とともに最後まで生きられた、杉浦さんの素敵な人生50年だったのかも。
一気読みするような小説でもなく、文章も分かり易く優しい。
ぜひオススメします。
きっと「江戸アルキ帖」を読んだ後には、杉浦さんの江戸本が増えていくはずです。
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