偉大な作家である、開高健。
正直に言います、開高健の小説、私は一冊も好きになることができず。
開高さんの小説、文章が難しすぎて…
ですが、私は紀行文やエッセーを書かせたら、開高健、そして山口瞳を超える作家さんはいないと思っています。
もうお2人がこの世を去ってからずいぶんと経ちますが、私の人生においてこの両者に勝る作家さんを認めない。
ちなみにどちらも寿屋(現サントリー)宣伝部の出身。
今回は開高さん。
きっと開高さんの釣紀行といったら「オーパ」かと。
ですが、それよりも先に「フィッシュ・オン」があります。
おそらく初めてこれを読んだのは中学生だったのでは。
すでに小学生の時点でフナ釣りを、中学生で渓流釣りをしておりました。
「フィッシュ・オン」の内容はきっと衝撃だったのでしょう。
まったく外国に行くことなど現実としてありえないことだった自分。
アラスカ、ヨーロッパ、アジア、そして日本を釣り歩く。
それも開高さんのこだわり、エサ釣りより何よりルアー釣り。
釣りだけでなく、料理、旅、すべてが写真とともにキラキラ光る文章。
生きている文とは、まさしく開高さんの紀行文を言う(と断言!)
なぜに小説とこうも違うのか?まぁいいでしょう。
こうして学生時代ずっと自分の中に生き続ける開高さんのルアー釣りの姿。
そして社会人になって読む「オーパ」「オーパ・オーパ 3冊」
今度は釣りだけでなく、しまいにはコックさんも一緒に連れての旅。
そうか、やはり生きるためには料理はできなければいけない!
自分の中ではもはや当然となり、料理に興味を持ち基本から覚える。
時は吹っ飛びます。
中学生で読んだ「フィッシュ・オン」、開高さんに憧れつづけながらも、ただただ紀行の中の世界だったはず。
日本を飛び出し、ルアーでサーモンを釣り上げる。まさしくロマンっていう恥ずかしい言葉が漂う夢。
それを夢を叶える機会が訪れるのです。
場所はニュージーランド、ネイピアのお隣、ヘイスティングスを美しく流れるTukituki River。
川釣りをするためのライセンスを購入し、ひとり静かに釣りに向かう。
だが、さっぱりフィッシュ・オンしない。
所詮、本の世界のおとぎ話…
2008年1月21日、その時は突然やってくる。
川の中でひとり、手にした竿が急に持っていかれそうになる衝撃。
人生初めての手ごたえ、パニックになる自分を抑える。
竿は大きくしなる、巻くことを許されないリール。
糸は持っていかれスプールが鳴き続ける。
そして夢に見続けたトラウトが水面から飛ぶ姿を目の当たりにする。
冷静さを失いながらの孤独な格闘、夢の中にいるような時間。
ついにきた、網の中にレインボートラウト、50センチを超えるニジマスだ。
海外の美しい川で、孤独にルアーを投げ続け、そしてトラウトを釣り上げる、まさしくそれは開高健…
そう、中学生からの夢は現実となって…
だめだ~(泣)
ぜんぜん、さっぱり、開高さんのような文章書かれへ~ん(泣)
あ~、あかん。。
もう、フィッシュ・オンとオーパ、オーパ・オーパ読んで!!
こんな駄文とは違う、キラキラした芸術的文章を。
釣り、料理、旅に生きる人生の素晴らしさをどうぞ!
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