愛読書 19 ~ 中島みゆき 著「愛が好きです」

Yoshiの 愛読書

最近、蔵書を一気に整理しなければならない機会が。
本の題名など気にせずに、一切構わず作業をこなしている時。。

ポロっと転がり落ちてきたのが、この本。
「あった…」

ずっと探していた本が見つかった瞬間です。
相当にボロボロ…
そしてなぜに何十年も見つからず、それでもそばを離れずにいたのか。
昭和57年発行だって。
この本の題名をずっと誤解して記憶していたよう。
「中島みゆき、全歌集」、きっとこんな感じだったよなと…
違いました、「愛が好きです」が題名だったんだ。。

「愛が好きです」は中島みゆきさんのアルバムの題名です。
CDなど存在せず、カセットテープかレコードの時代ね。

本の内容としては、最初に倉本聰さん、最後に高橋三千網さんからのエッセイ。
後は1982年までの全歌集と、みゆきさん自身のエッセイと写真。
ほぼ歌詞集です。

中には当時の書き込み、色褪せた蛍光ペンのマーキング…
当時のYは、何を思っていたのでしょう (笑)

この本は、貰い物。
中学時代、学校の授業がつまらないと、カバンからそっとこの本を持ち出し、ひたすら読んでいました。
歌うのではなく、ひたすら読む。
そして気になると曲を聴く。

本当にずっと、中学を越えて高校時代まで。
必ず手元にあったのがこの文庫本です。

1000冊以上が、ここニュージーランドの地にある中、きっと捨てていないのに見つからない。
大切にしていた本だったはずなのに。

長く気になっていたことのひとつ。
最近、そういうことがふと氷解する不思議…

中学、高校と、ひたすら中島みゆきさんの歌がそばにあるとどうなるのか。。

まず、自分で納得しているのが、現代国語(現国ですね)がこのおかげで、とっても得意になったと今でも思っています。

自慢にもならない昔のことだからお許しください。
当時は相当に現国が好きで、結局大学も現国と地理の2科目の得意科目で、好きな大学に合格したようなものです。
現国の参考書なんかよりも、私にはこれだけで十分だったのが現実。

そんなことよりその後の人生にはどのように影響したのですか?
中島みゆきさんを好きであっても、けっして幸せにはなりません。
ハッピーな気分になる曲など皆無です。

この頃の曲はほぼ悲哀の世界、『うらみ・ます』など聞いていたら、生きていることすら危うくなりそう。
もっとも人気がある『糸』のような曲は、この時代には存在しません。

聴いても悲しみ、辛さを決して晴らしてくれない。
とことんまで聴き込んで、一緒にどん底まで沈んでもらい、その結果を受け入れるしかない状態にしてくれる歌詞。

そんな曲を聴いて、それなりの経験を重ねた自分…

今の自分はどうでしょうか?
ちゃんと心の機微がわかる人になっていますか?
ただただ、変わった人ですか?
自分ではわからないことです。

なら今となって、わかることも。
学生時代に、大人になるこれからの決して平坦ではない経験への準備、予習をしていたよう。
それからの人生の場面で心に流れる中島みゆきさんの曲のフレーズ
脳のどこに記憶というものは存在するのでしょう。
当時、必死で覚えようとしたことは一度もないのに、ちゃんと湧いてくるフレーズ。
「これ、何の曲?」
と、逆に調べなおして納得することもしばしば。

大学入試前には、『ファイト』を聴いてから立ち向かう。
辛くても死んでも立ち向かわなければいけない時には、『Maybe』口ずさんで耐える。。
歌姫』を聴いて、忘れる悲しい思い出。
捨てるほどの愛でいいから』を歌うしかない時もあるんだよ。。
大切なものを諦めるしかないと悟れば、『荒野より』で無理やりにでも納得させてやる。
夜曲』は気付けば歌ってる名曲、今もこれからもきっと。

相当の中島みゆきファン?
そうとも自分では思っていない。
きっと釣りと同じこと。
どっぷりそれに浸かるでもないけど、もはや人生になければならないものなんでしょうね。

ファンといえば、もう解散したGARNET CROWの方がそれに近く、『忘れ咲き』が人生で一番お世話になってきた曲。

またお話がそれましたね (笑)

こんな風にして中学、高校時代を過ごし、人生で色々な経験をした結果。
あ~、なんて面倒な大人になったことでしょう(笑)
もう手遅れ、この本の罪は相当に重い…

今、なぜに見つかったのか。。
またこれまたツライ思いが重なる準備ですか?
そんな平凡ではない生き方を選択してるのは自分だからね。
がんばれ、じぶん!(笑)

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