過酷な食品工場勤務、振り返る… その2

人生を振り返る忘備録

前回、その1において、夜勤先が決定しました。
週6日、午後5時から翌朝6時までの勤務です。

学校も始まり、こちらは月曜から金曜日、週5日。
午前9時から午後3時まで。

ということで、睡眠時間は2時間半ほど?
若かったんですね~(笑)

これからのお話はおよそ25年前のこと。
ですから現在の衛生管理とは違います。

勤務前に白衣に着替えて、手洗い、そして全身コロコロ(クイックル・ワイパー)をしてから製造工場内へ。

私の配属先は「仕分け」部門。
伝票に記入された個数通りに出来上がった総菜などを、各支店の大きなカーゴに分けていきます。

〈 ポテトサラダ 〉
イズ〇ヤ 淡路店 10
イズ〇ヤ 上新庄店 15
……
総計 300

個数を間違えると、最終的にお惣菜が残ったり、あるいは足りなかったり…
そうすると間違えて仕分けしたカーゴ内のお惣菜を探しまくることになります。
慣れないうちは、間違えてばかり。
慣れてくると、適当さがプラスされて、また間違えたり。
正確さと仕分けるスピードは反比例です。
早く済ませたいけど、焦ると仕分け数を間違える…
ずっとこんな感じでした。

ただずっと「仕分け」ばかりかというと、そうでもありません。
「盛り付け」部門の人出が足りなければ、お呼びがかかります。
「盛り付け」部門の9割は`、おばちゃんたち。
臨時で「盛り付け」に入ると、マスクをして目しか見えないおばちゃんに指示を受ける。
目の前に流れるトレイに指示を受けた数やグラム数を入れていきます。

たとえば「唐揚げ」のお惣菜、すでにトレイに入れられた「唐揚げ」。
それがベルトコンベア―で次々と流れてくる。
その唐揚げ横に20グラムのマカロニサラダの盛り付けが指示。

手前に量りが置いてあり、そこにマカロニサラダを載せて軽量。
そして間髪なく次々と盛り付ける!

簡単そうに見えて、ゆっくりしていられない。
チンタラしていると怒られる、そしてベルトコンベアーを止めてしまう…(泣)

記憶に残っている盛り付けがあります。
ベルトコンベアーで流れてくる盛り付けられた白飯。
そのど真ん中にひたすら梅干しをひとつチョイ!と押し入れる。
これを一晩中続けると、梅干し入れのプロになります!
見なくても見事に白飯のど真ん中に梅干しを入れることができるようになる。
ですが、脳みそは退化をしていきます(笑)

今でもスーパーで日の丸弁当を見ると、誰かが梅干し入れてるんだな!
そう思ってしまいます。

食品工場での唯一の楽しみ、それは1時間の休憩。
この休憩時間に、作りたてのお惣菜が当時は支給されていました。
給食のような大きな器に入った色々な総菜から、バイキング形式で!

スーパーに並ぶトレイ内のお惣菜を買うより、出来立ては数段美味しい!
サバ寿司があったりすると、とても嬉しいものでした。
これを期待して食品工場勤務!
本当に食事で大助かりでした。

この勤務で私は多くのことを学びます。

世の中には、夜勤をずっとしている人がいっぱいいること。
まさしく人々が寝ている時に黙々と働く。
それも女性が数多く働いてはる。。

世の中が休日でレジャーを楽しむ時とその前…
食品工場にとっては、その時が超忙しい。

ゴールデンウィーク、お盆、年末年始…
その前から当日はてんやわんやの慌ただしさ!
工場内も殺気を感じるほどに忙しい。。

なので、これらの祝日には休むことがなかなかできません。
そんな夜の食品工場勤務を20年、30年としている方々がいる。
もう背中も丸くなったおばあちゃんでさえも、盛り付けをしてはる..
日本の社会はそのような方に支えられているんです。。

それを知っただけでも、仕事の見方が変わります。
綺麗なオフィスで働くだけでは社会が成り立たない。。

私にとっては、今でも製造業が一番!という意識は変わりません。
社会人1年目の鍛造工場、そしてこの時の食品工場勤務の経験。
まさしく汗水たらして働き、モノを作り出していく仕事は素晴らしいんです。
この経験が人生においても大切なものになっていきました。

ですが、「仕分け」部門のスタッフ内において、私はとっても嫌われ者でした!
「食品加工」部門や「「盛り付け」部門と異なり、「仕分け」部門は全員が男性。

それも夜勤をする男性となれば、やはり一筋縄ではいかない人ばかり。
特にギャンブル好きが多かった…
夜勤を早朝に終わり、競馬や競艇に行く…
そんな日常のスタッフが多い。

ですが、私は違う。
というより、私が変人!(笑)

休憩時間には美味しいお惣菜セットを食べながら、食堂でお勉強。
宿題をしたり、テスト勉強をしたり…

それはそうだ!
こちとら、銀行に借金をしてまで通うカイロプラクティックの学校。
睡眠時間でさえ3時間も取れないのに、勉強時間なんて本当にない…(泣)
ですから、寸暇を惜しんで勉強する私は、本当に異端児。
今思えば、嫌われて当然ですね!

ですが、あたしゃ、そんなこと気にもしない!
スタッフと上手くやっていこうなんて、これっポッチもない。
与えられた業務はしっかりこなす。
美味しいお食事をいただいて、そして頑張る。

まわりを気にせず、ひたすら働き、ひたすら勉強する…
寝る時間も遊ぶ暇もない…

そんな時代が人生にもあったこと…
その経験は宝物として大事なものとして生き続けるのです。

その3 に続く

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