ついに振り返る時、怪我と転機 その3

人生を振り返る忘備録

前回の「その2」、スキー場で大怪我をした年末。
救急車で運ばれ、何とか応急処置をされた結果、脱臼をした左膝のお皿は一応元の位置に整復。
そして、同行していた友人の車にて、大阪に帰ってきました。

いつでも爆発しそうに腫れあがった左膝、当然まだ痛みもあり、動くことができません。
そのため、年末年始は自分の部屋にてひとり、ほぼ寝たきり…

年始のお休みも明けて、会社に怪我をしたことを報告、そして外来診察の始まった会社近くの病院を訪れました。
整形外科の診察、2度目の膝蓋骨脱臼、わたしも慣れたもの。
きっと、また固定をされて、しばらくは松葉杖生活が始まることも想定内。

ですが、整形外科医からの言葉は、意外なものでした。
「もう2回目の脱臼だし、これからも間違いなく同じ怪我をするだろう。
だから、その予防を目的とした手術をした方がよいよ。」

ん~ 確かに。
おっしゃる通りに反復性脱臼だから、間違いなくまた脱臼する可能性が高いのは予想されます。
もうあの激痛は二度と嫌。。
手術は簡単なもので、入院も1週間で大丈夫だから、とのこと。。

仕事も大阪本社でのデスクワークが中心。
1週間の入院なら、次の長期出張前に復帰もできる。
1月、決算前の3月になれば業務も多忙になるし、その前に!

ということで、決断です。
年末年始休みの休日が終わり、初日から松葉杖姿での出社。
見た目から言えば、スキーで怪我をした大バカ野郎でございます。
実際、大バカなのですが(笑)

上司の許可を得て、すぐに入院です。
オペ前の精密検査、そして手術の当日を迎えます。

と言っても、誰が来るわけでもなく、本人にも何の緊張感もありません。
よ~く覚えています。

看護師さんが呼びにきた病室の朝。
「Yさん、時間です。手術室に向かいますよ。
あれ?付き添いの方は?」

「誰もいませ~ん!」

そんな軽口を残してオペル―ムに向かいます。
冷たい手術台の上で、横向きに寝る、そして腰をエビのように丸くして麻酔の注射を受けます。
腰椎麻酔、つまり下半身だけの麻酔ですね。

手術中も意識があり、ただ下半身の感覚はないままで左膝の手術を受けます。
脚の骨にドリルで穴が開けられる音、そして振動だけがわかります。

年明けの外来診察にて、手術を勧めた医師が今日のオペも担当しています。
大学病院の医局に席を置きながら、提携先の病院に派遣されている先生。
26歳の自分よりも少し年上のまだ若いお医者さんです。
手術中も意識があるので、先生とも会話をしながらの手術でした。

1時間半もすれば手術も終わり、まだ下半身の麻酔が抜ける前に病室に戻されました。
もちろん個室ではなく、大部屋、きっと8人部屋ほどの大きな病室でした。

手術後の私を、同室の患者さんも心配顔ながら、遠慮気味にのぞいてきます。
術後の疲れもあまり感じず、だんだんと下半身の感覚が戻ってきたように感じていました。

手術後、3時間ほど経過したでしょうか。
さきほど手術をした医師、私の主治医であり担当医が術後の経過を確認のためでしょう、病室のベッド際に来ました。

医師 : 「Y君、お疲れさま~」
医師 : 「足を今触っている感覚はありますか?」
Y君 : 「はい、だいじょうぶです、わかります!」

医師:「では、左脚を動かしてみて~」
Y君:「……? 動きません!」

医師:「頑張って動かしてみようね~」
Y君:「………… 動きません…?」

医師:「ん?…… ん?」
Y君:「……… ん?」

医師:「ちょ、ちょっと待ってて!!」

担当医の先生は、急に病室を飛び出し、どこかに走っていきました。
その後、いかにも部長さんらしい年配の医師、そして婦長さん、その他医師役の方が大勢で病室に…
医療ドラマの一場面と同じ、どこかで観たような光景。。

何度トライしても動かない左足。。
そして白衣の大勢が、私に聞こえないようにひそひそ話を始めた静かな病室…

何かが起きたようです…

つづく

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