むかし 「地球の○○方」という本があった。
もしかしたら今もあるのかもしれないが、長く存在確認を怠っている。
ただ旅人が重たい紙媒体を好まなくなって久しい。
手にして歩けば、日本人旅行者のシンボルマークでもあったのに…
この国を題材とするそんな本を読んでいたのは、いつの日であったろうか…
ニュージーランドという南半球の底にある羊しかいないであろう国。
そこに初めて行こうと考えた頃のこと。
これからの旅を台無しにしかねない、親切詳細すぎる情報の束。
そんな情報の中に、「世界で一番長い地名の地」についての情報がありました。
まだニュージーランドに行ったこともなかった私には無駄な情報。
自分には観光ポイントとしてもまったく価値もなく、惹かれることでもない。
初めてニュージーランドを旅してから数年。
なぜか日本を逃亡し、海外留学の地として再渡航。
時は流れ、ニュージーランド在住も来月で15年となります。
時はコロナ感染対策にて鎖国政策の国。
観光地とは遠く離れた田舎道、海岸近くのキャンプサイトを目指してドライブ。
目的地まであと25キロほど。
道程にはいつもながら店も何もない。
信号すら存在せず、最高速度は100キロの道が続きます。
到着まで20分ほどとなり、集中することもなく運転していると突然に…
道に緑の看板が出現します。
「Longest Place Name In The World 500m ON LEFT」
それを目にした瞬間、むかし世界一親切過ぎる旅行本で得た情報が蘇る…
世界一長い地名の地がニュージーランドにあったな…
ここぉかぁ!?
時速100キロで走る500mの距離はすぐそこ。
考えているうちに瞬間移動をして到着。
ニュージーランド在住日本人のほとんどが知っている。
でもほとんどの人が、その場所を知りはしない…
「ここだわぁ、あの本にあった写真と同じ看板がある!」
まさか、こんな所に「世界一長い地名の地」があるとは。。
こんなどこの街にも馴染まず近くもない中途半端な場所。
看板以外、何一つなく、観光地化する気は欠片もありません。
車を停めて日本人観光客化した、ツアーガイド&ドライバーの自分が撮影です。
1枚目の写真が左半分。
2枚目の写真は右半分。
そして3枚目がそれを合わせた地名の全景です。
その地名は、
Taumatawhakatangihangakoauauotamateapokaiwhenuakitanatahu
もちろんマオリ語。
地名にもそれなりの荘厳な伝説的意味があります。
ですが、長いにもほどがある…
ここまで長いと、当然記憶する気にもならず…
「まぁ こんなもんかぁ」
札幌の時計台と同じ…
「はい、観ましたぁ~」
ニュージーランドの鎖国が終わり開国した近い将来のこと。
日本から訪れる旅行者さんからのご相談。。
「ツアーの途中で、世界で一番長い地名の場所に行きたいです!!」
ほとんどのご希望に添えるように頑張る弊社貸切ツアー。
ですが私の回答はきっとこうなるでしょう。
「ここは行くことなく、他の観光地を目指しませんか?」
はい、どこの観光地、主要都市からも近くもありません。
看板以外に見どころは皆無!
きっとkiwiでさえ訪れることは人生で稀な地です。
このブログで十分です。
車で静かに待つ、日本犬の柴犬、せん様。
やはりまったく興味なく、退屈そうでございます(笑)
「早くビーチ行こうって!」
おしまぁい。
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