豪雨で倒壊のフェンスを 再建 #3 「コンクリート破壊」

ニュージーランドでDIY

前回#2 必要な材木などの購入を済ませました。

そしてまずせねばならないこと…
残ったコンクリートのフェンスを取り除きます。

グラインダーで切れ目を入れ、大きなスレッジハンマーで叩く!
破壊されたレンガにモルタル塗りをされたフェンスは、後に再利用の予定です。

写真のとおりに、すべてのフェンスが取り除かれて、スッキリ!
ひとまず被災の爪あとはなくなりました。

さぁ、これから本格的に木製フェンスの製造です。
そして一番最初におとずれる、最難関の作業。

フェンスの支柱を立てるために、縦横20cmの穴をコンクリートに。
いかにも分厚そうなコンクリートを取り除かねばなりません…
このいきさつは、#1 にてお話、そして決断をしたわけですが…

経験上、コンクリートはとっても硬いんです(笑)
これに20cm四方の穴をぶち抜く、これを専門でもないのに自力で…
無茶な話とはわかっているが、こんなことだけに26万円も払うのはイヤや!(笑)

コンクリートの専門業者が使用する道具などあるはずもない。
日本でもアスファルトを破壊する道具ありますよね。
ドォ ドォ ドォ ドォ と爆音、振動により次々とぶっ壊す。
そんな大道具は存在しない。

こちらにあるのは、直径105mmのグラインダ、たがね、ハンマー(かなづち)…

とんでもなく硬い強者のコンクリート。

強者に弱者が挑もうとすれば…
もう、それはコツコツと少しずつダメージを与え続けるしかありません。
ボクシングで言えば、ジャブ、ジャブ、ジャブ、ボディー…

一気に大きなコンクリート塊が外れる!
そんな夢のような出来事は絶対にないのです(笑)

グラインダーに装着した刃は、ダイヤモンドカッター。
強靭なコンクリートに切れ目を入れていきます。

コンクリートが切れるということは、簡単に指などスパっと切断される…
とっても危険な作業なのは間違いないんです(泣)
そんな作業は経験として慣れてはいるのですが…

プロでもない自分がしてきた経験として…
作業中はあまり刃で指などを切ることはありません。
(まだ10本の指もくっついてるし 笑)
それよりも、グラインダーのスイッチをオフにした後が怖い。
オフにしても回転する刃、急には止まらない。
スピードが落ちていく刃、そこで油断をすると、指や腕、足をスパッ……

なので、グラインダーなどの刃が回転する道具を使用する時の癖付け。
スイッチをオフにしても、刃の回転が完全に止まるまで動かさない!!
元気なうちは意識もしっかりしているからよい。

だが疲労困憊となれば、つい油断をしてしまうもの。
そこで指を飛ばさないように、日頃から癖付けをすることが大切です。

そんなダイヤモンドソーを付けたグラインダー。
まずコンクリート上に20cm x 20cm、正方形状の切れ目をいれる。
その正方形内に、碁盤の目状の細かいラインを縦横に入れていきます。

そこからは鏨(たがね)とハンマーでコツコツと叩く。
細かいダイスを一つずつ地味に剥がしていくのです。

冷凍庫内のアイスキューブのように、気持ちよく外れていけばよいのですが…
なかなかにそうもいかない…(泣)

グラインダーで碁盤の目状の切れ目を入れる。
鏨とハンマーで小さなキューブ形状のコンクリートを剥がす。
その繰り返しです。

結局、コンクリートの暑さは約20cm!!

つまり縦横高さ20cm、立方体のコンクリートの塊を5つ。
コンクリートの粉塵で真っ白になりながら…
もちろん、防塵グラスと防塵マスクを装着しての作業です。

そしてグラインダーの騒音対策、通常は耳栓ですが、その代わりにイヤホンをして。
イヤホンからは日本のラジオ放送が流れています。
好みのオールナイトニッポンなどを聴きながら、刑罰のような作業に耐えます。

そんな時に、近くの住民が声を掛けてくるんです。
脳内はしっかり日本語の世界なのに、英語で…
「大変そうやな~ 何をしてるんや?」
それが毎日、何人も続いて来はる。。
日頃は何を考えているのかわからない、怪しいアジア人なんて相手にもしないのに。
声を掛けられるたびに、言語野を英語にもどし、しばし会話をする。

もう、呼吸するのも大変なんやから、ほっといて!
「Leave me alone!」
なんてことは言えない日本人…(笑)

そんなこんなが雨の日を除いて続く…
何度とコンクリート相手に人生を振り返りつつ、心折れそうになる…

そんな時には、一番好きであろう映画の「大脱走」を思い出す。
脱走のために捕虜が協力してトンネルを密かに掘り続ける名作映画です。

ある場面では、金槌やハンマーの音を消すために、コーラス隊の声に合わせて作業。
ラジオから流れる音楽に合わせて、こちらもハンマーを打ってみる。
脱獄ではないから、何の意味もないのだが…

ほぼ刑罰のような10日間。
20cm四方の立方体を5個、コンクリートを自力で破壊してやりました!
運よく10本の指はまだくっついていますね(笑)

さすがに、体のダメージは深刻…
回復のためにも、緑の中へ。
キャンプサイトへ向かうことにしましょう。
なぜか柴犬も一緒に、護送車で大脱走です!

おつかれさま。
フェンス製作はまだまだ、#4 につづく。

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