深く尊敬する池波正太郎さんの著書がこれまた登場です。
「真田太平記」、「剣客商売」に続く3作目の紹介。
早いうちにもう1作を紹介しなければなりません。
その4作品があってこそ、私の愛読書シリーズです。
今回は、「仕掛人・藤枝梅安」です。
色々な形で過去にテレビドラマ化されている「必殺」シリーズの原案です。
私は藤田まことさん主演のドラマがすぐに思い浮かぶのですが。
緒形拳さん? 渡辺謙さん?
内容は言わずもがな。
依頼された仕返しを陰の仕事である殺し屋として請け負うもの。
あまりにも簡単に説明しすぎでしょうか?
原作小説では、主人公の藤枝梅安、彦次郎、小杉十五郎、それぞれの葛藤や生き様を丁寧に。
そして3人の友情を色濃く描いています。
表と裏の仕事を持つ梅安。
人は誰でも表と裏があり、良い面と悪い面、表裏一体の感情ある動物であることがよくわかります。
どんな人間でも、そのバランスを保ちながら生きるもの。
登場人物もそのバランスを取りながら生きることにもやはり悩みます。
池波さんの時代劇小説、もちろん他シリーズとともに大好き。
ですが、とても残念なことが。
文庫本としては全7巻。
「梅安冬時雨」が最終巻。
その終わり方が、まさしく未完。。
プッツリと終わってしまいます。
池波さんの死去によるものですが、小説としてもまだまだこれから長く続く勢いで終わってしまったことが残念でなりません。
「鬼平犯科帳」もそうですが、その先の登場人物の生き方が知りたくてなりません…
ですが、他シリーズよりも7冊と少ない。
ですから、読み切るにはちょうどよいのかもしれません。
池波さんをまだ知らない方には、最初の時代劇シリーズとしておすすめです。
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